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2008年7月 4日 (金曜日)

みなとみらい駅にて

 先日、みなとみらい駅のエスカレーターを登った時、ぐっと感動した。壁を高く見上げながら、この詩を読むのはちょっとした毎朝の楽しみだった。家に帰って調べるまでは、てっきりベートーベンの歓喜の歌かと思いこんでいたら違ってた。どうやら、シラーがデンマーク王子にあてた書簡から抜粋したものらしい。



 こんな手紙をもらったら、王子だろうと王女だろうとぶったまげるだろな。シラーってすげえなあ。 こんな手紙書いちゃうのは、ある意味狂人じゃなかろか。いったい、一国の王子に何を述べたかったのだろう?



 芸術には世界を良くする力は実はない。ぼくはそう考えるようになった。だが、芸術が世界を良くするきっかけを作ることは大いにあり得る、と思っている。たとえ、理想主義者と言われようと。ドリーマーと言われようと、そう思う。



 魂を揺さぶられるような、そんな芸術作品は近年少ないかもしれない。でも、そういうものを作るのには多いに意義がある。この壁とこの詩を読んで、そう再認識できた気がした。



 デンマークの王子は、この手紙を読んで、何を想ったのだろう?



shiller.jpg




樹木は育成することのない

Der Baum treibt unzahlige Kieme,



無数の芽を生み、

die unentwickelt verderben und



根をはり、枝や葉を拡げて

screckt weit mehr Wurzeln, Zweige und Blatter



個体と種の保存にはあまりあるほどの

nach Nahrung aus als zu Erhaltung seines Individuums



養分を吸収する。

und seiner Gattung verwendet werden.



樹木は、この溢れんばかりのの過剰を

Was er von seiner verschwenderischen Fulle



使うことも、享受することもなく自然に還すが

ungebraucht und ungenossen dem Elementarreich zuruckgiebt



動物はこの溢れる養分を、自由で

das darf das Lebendige in frohlicher



嬉々としたみずからの運動に使用する。

Bewegung verschweigen. So giebt uns die Natur



このように自然は、その初源からの生命の

schon in ihrem materiellen Reich ein



無限の展開にむけての秩序を奏でている。

Vorspiel des Unbegrenzten und hebt



物質としての束縛を少しずつ断ちきり、

hier schon zum Teil die Fesseln auf deren sie sich



やがて自らの姿を自由に変えていくのである。

im Reich der Form ganz und gar entledigt



フリードリヒ・フォン・シラー

FRIDRICH VON SCHILLER

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