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2008年12月24日 (水曜日)

アート三昧な備忘録

 宗達を見て感動したのも束の間、ワシントンDCへ行き、美術館無料でウハウハになり、フェルメールも3点堪能。ナショナルギャラリーはなかなかのコレクションで、特にドガのバレリーナシリーズが見られたのが良かった。その他にもゴーギャン、シスレー、ゴッホ、ウィスラー等も良かったのだが、なにぶん時間がなく、ダヴィンチ1点を逃してしまった。とても期待して訪れたフレーアギャラリーには琳派の作品がたくさん見れるという美術館ではなく、数点の常設展だけでがっかりしたのだが、杉本さんの"Seascape"を見て、改めていいなあと思うのだった。ばかでかいプリントもいいけれど、通常のコンベンショナルな写真プレゼンとしてマットされ、フレームされたSeascapeは毅然としていて美しかった。



 感動的だったのは、リンカーン記念堂でふと足下の階段を見たら、MLKの"I have a dream"の彫りが書いてあった。その写真を撮った2秒後、見渡すと突然の雨。あたりにいた人々がリンカーン堂に集まって雨宿りするというハプニングが微笑ましかった。



 飛行機の中でみた映画。ダークナイト、ハンコック、マジックアワー、Xファイル。

 ダークナイトは、10年に1本ぐらいの傑作だと思いました。DVDでまたみたい。



 帰国後、7点のフェルメール。ありえない来場数。おしくらまんじゅう。人の目が絵へ絵へと虜にされている。未だかつてこんな作家はいなかっただろう。テレビなどの影響はあると言え、熱心な日本人。群衆や人の多さに嫌気がさすことは多いけど、いくら全て金銭的な価値観や話題性でアートを堪能する日本人とは言え、ここまで熱心に絵を見ようとしている真面目さは素晴らしいと思った。こんな展覧会は記憶にない。ルーブルのモナリザを見て以来かもしれない。びっくりした。が、それなりに絵も鑑賞できた。フェルメールは技術を超えたところで人々の心をつかむ精神性があったと感じた。逆に、人々の心をつかめる程の技術力があり、またその技術力を後期作品になるほど感じさせない凄みがあった。筆の跡なんてみえやしない。そしてその技術力と魅力的な構図の奥には、ちょっとした想像力をふくらませてくれる物語のような記号があり、その物語が現代人の心にも届く。こんな作家はあまり記憶にない。ポストモダニズムを超える存在かもしれない。比べようがないのだが、先日の宗達とは全く違う私情史上最高の絵師かもしれない。そもそも史上最高かどうかなんていうのは、どうでも良いことなんだけれども。また、ピカソ、ゴーギャン、セザンヌのような先天的芸術性とは異なり、さらに18世紀後半に来るリアリズムとも違う摩訶不思議な作家でもある。未だに、フェルメールの存在は自分の中でもよくわからない位置にある。



 続いてハンマースホイ。この人は油絵で写真をやってしまう程の技術があったと思う。フェルメールと同じ方向ではできなかった筈だから、題材が意図的か先天的か、とてもパーソナルな視点であるところが天才的。ただ、歳を重ねて家族を書き続けていく中で、絵が記号化していて血を感じなくなっていったのがなんだか悲しかった。人のいない孤独さや美しさの方がなぜか心地よく美しい表現に感じた。何もない風景にこそ、この人の感情や伝えたい何かがあった。だが、これは数十年後に訪れるストレートフォトグラフィーの礎に近い。不思議な事に、油絵から写真というメディアを感じたのだった。スティーグリッツはハンマースホイを知っていただろうか? 数十年先を行ってたハンマースホイ。スティーグリッツの時代にはモダニズムがさらに数十年先を行ってたわけだが。



 先週末は、ずぅっと待ってたスコセージのShine a lightを見た。ほとんどライブに行って来た感じで予想以上に楽しめました。年老いたストーンズ。CDでは直接わかんなかったけど、映像を見るとはっきりとわかるギター音の欠如。割と、ノイズメーカー、あるいは副和声を楽しむようになってるキースとロニーのツインギター。が、これは悲しむなんてことはなく、それでも巨石は転がっているというか、チャック、リサ、バーナード、ティム、等おなじみのストーンズファミリーで音楽がいつもどおりまとまっている。ミックは常に動きまわり。アップか、バストショットばかりだったけど、ロングショットでいかにミックがステージ中をかけずりまわっているかのショットも見たかった。遠くから見ても、ミックの踊りは人々の身体を刺激するのがわかるからだ。ミックとチャーリーは変わらない凄さがある。ミック以外はかなりステージを楽しんでる余裕があるけど、ステージ前を含め、厳しい表情のミックを見ると、この人がやっぱりバンドをひっぱっているんだな、とも思った。一昔は、フロントマン的立場をキースと争ってたのに。が、CDでもお気に入りの曲は、キースの"You got the silver" 単純な歌詞ながら、黒人歌のように味深いブルース曲。絶えずミックにパワーをもらいながらも、人間味の深いところはキースがもってく。キース、やっぱりあんたがストーンズだ(個人的に)

 全体的には以前のようなどす黒いストーンズは去った気がする。歌詞も(一部を除いて)クリーンな感じになっているし、味深い歌詞であるFar away eyesやI'm freeとかshine a lightをまとめてやったところが今までのストーンズと違う。だが、こうした事をあんまり計算なしに、感覚でやってのけるような素晴らしい音楽をやっちゃうのがストーンズの良さなのかもしれません。ヨボヨボでいつまでもやってもらっても困る?ような気もするけれど、チャーリーが元気な限りやってほしい。もうこんな音楽できる人たちはでてこないような気もする。DVD、もちろん買います。

 

 他にも、、、何かあった気がするけど、とりあえず備忘録完了。

 

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