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2010年2月11日 (木曜日)

食堂かたつむり (2008) - 小川糸

食堂かたつむり

買ったきっかけ:
冒頭を読んでみてコイツは面白そうだと思った。

感想:
物語としては意味のないような、あるいは終いまで書かれてない感じはあるけれど、独特で、思いつかないような言葉の表現感覚が面白い。そこから紡ぎだされる文体から、ゆったりとした時間やじっくり料理をする楽しさが伝わってくる。一言でいえば、変わった女の子の失恋後の内向的世界。作者も主人公もユニーク。なんだか攻撃的にこの本を批評する感想があるのは、ユニークさを異端とし、受け入れにくい日本社会の一例に感じてしまう。一方で、誤解を招きそうな感じがあるのは事実。確かに物語は少々ぎくしゃくしてて、完結してない感じはするけれど、説教っぽくせずに命の大切さやはかなさを表現することに、この本は成功しているようにぼくには思えた。全財産よりもお祖母ちゃんから引き継いだヌカを愛するところに、お金の価値観だけが先行してしまう現代社会において面白さを感じられずにいられない。異端だけど魅力的。そういうのが受け入れられない人にはオススメはできないけれど、誰にでもある思春期のへそ曲がりを思い出すというか、いじいじと時間を過ごしてしまう時間を垣間みるようなところに共感できて面白かった。実際に、男に全財産と共に逃げられた女性の気持ちは想像すらできないけれど、少しばかり応援しながら読むのは男の心理なのだろうか。

おすすめポイント:
じっくり時間をかけることの大切さ。お金よりもヌカを大事にするところ。料理を通じて人の輪ができること。

食堂かたつむり

著者:小川 糸

食堂かたつむり

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