F i l m

2009年11月 7日 (土曜日)

The Limits of Control - Jim Jarmusch (2009)

jim-loc.jpg

 先週見たのだが、もう一回見たくなってきた。
 なんだろう、あの感覚は。トリッピーな感じだ。Borisという日本のバンドがつけた音楽もとてもトリッピー。そもそもジムの映画は常に、古き良きロードムービーであり、場所から場所へと移動していく。案の定、大都会の映像ではじまるこの映画は、スペインの山奥へと舞台をどんどん移動していく。ロードムービーは、人の意識層に入り、また出て行くような作品なのだが、近年のジャームッシュは何かシュールな、彼にしかできない映画作りになってきている気がする。

 "Go to the tower, Go to the cafe, Wait for a couple of days,
 and watch for the violin."


 ~タワーへ行け。カフェへ行き、数日待て。バイオリンを探せ~

 以上が、ストーリーのオープニングなのだが、ここから既に詩的。
 この感覚がもやもやと続く。 想像力が膨らむ。映像が流れゆく。時が過ぎる。場面が変わる。風景が変わる。編集のリズムが変わる。見ている人の意識に深く深く潜りこんでゆく。

 その繰り返しではあるので、時として眠くなってしまう事もあるのだが、いいんだよねぇ、この感じが。言葉が美しく、頭のなかで何度もぐるぐるする。

 そして、終わってみれば、なんだか突然、日常に戻ってくる感覚がやってくる。映画を見ていることがまるで夢であったかのように。

 前作ブロークンフラワーズも良かったけど、
 今回の作品が今までで一番好きかもしれない。DVDで何度も見たい映画だ。ありがとう、ジム! となぜか良いたくなる。理由はよくわかんないけど、会ったこともないこの人とは感覚が合うのだ。 不思議な美学。でも敷居の高さなどを感じさせない芸術作品。映像を見ているだけで楽しめてしまう。生涯で初めて、言葉そのまま”ミニシアター”と言える吉祥寺のミニシアターで観た。映画も不思議だったが、空間も不思議だった。あんなに狭い空間で少人数で映画を見るという体験ができるのも日本だけかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月31日 (金曜日)

Once (2006) - John Carney

once.jpg

ダブリンが舞台のアイリッシュ映画を見た。 アイリッシュ英語はわかりにくいようで、キングスイングリッシュと比べて、なぜか流れで結構わかる。不思議だ。だが、失礼ながら、ひどーい、ホントにひどーい訛り。同じ英語とは思えない。表現も結構汚いんだけど、なんかそれが普通な日常英語な感じ。寒いと言葉も汚くなるものなのだろか?

 内容は、ミュージックビデオ。ずぅーと音楽シーンがつづく。
 我らが、MTV世代が作り出したような世界。

 しかしながら、この映画は傑作だったと思う!

 ずぅっと続く音楽シーンで、物語が進み、人と人が繋がっていく。バンドや、バンドやってる友達を青春時代に持った人はわかるだろう。人と人が繋がっていく感じ。言葉がないところで輪が広がっていく感じ。

 そんな映画はずっとあっても良かったのに、今までなかった映画に思う。まさにMTV世代が生み出した傑作映画と言っていい。単純なんだけど、心温まる映画になっている。

 人を繋ぐだけでなく、優れた映像と音楽は、個人の思い出や体験を思いおこすような作用がある。映画の中の架空の人に、自分を投影し、いつのまにか共鳴してしまうのだ。フラれた心境、孤独な心境、悲しい心境、やるせない心境、心躍る心境、笑いの絶えない愛しい時間、、、そういうのがたくさんつまってる。逆に言えば、そういうのをMTVっぽく最後までみているだけの映画なのだが、、、気になる人は見てみて。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月23日 (水曜日)

崖の上のポニョ (2008) - 宮崎駿

poster-image.jpg


 生命讃歌の映画だと思います。
 手塚治虫先生が表現していたことでもありますね。

 はじめの5分だけで、美しくて、嬉しくて、涙がでそうになるほど美しい。宮崎さんの意気込みが感じられました。久石さんの音楽も今回はかなり”音楽つけてる”という印象はしたのですが、オペラのような(ワグナーのような)オーケストレーションが良かったし、ユーモアのあるおとぎ話的に鳴るファーストバイオリンも素晴らしいです。

 ストーリーは純粋に楽しんだり、優しい気持ちで見たり、そこはもう自由です。けっきょくのところ、どんな芸術作品でも”消費されてしまう”世の中です。こんなに素晴らしいものを時間をかけてたくさんの人が作って、生命讃歌を歌っているのに、”つまらない”とか”シンプルすぎる”とかあーだこーだ言うのは自由です。作った人だって、”わかる人だけがわかればいい”なんて思ってないし、ぼくもそう思いたくないのですが、なんで”頭だけでものごとを受け止めようとするのか?”という疑問が時々ふと不特定多数の人々にむけて考えこんでしまいます。ネット社会は意見交換を豊かにできるものの、魂とかこころとか、なんだか大切なものさえどんどん”消費”の対象になっている気がします。

 手書きで全編をつくったのも、”海”がメインとなったのも、そんな”消費社会”に負けじとする宮崎さんの意気込みを感じました。ちょっと前にテレビのドキュメンタリーで鬼気迫る感じだった。息子さんがゲド戦記つくって少々落胆してる時にも言ってたこと:作り手は、世界を変えるほどの作品を作ろうとするぐらいの情熱と意気込みを持たねば駄目だ、という事を、実際にこの映画で肌で感じて教わった気さえします。凄い人です。

 ネタばれですが、過去2作品つづけて、トンネルがでてきました。
 今回はかなり良いまとまりを出し切ったという感じさえするのですが、、、やっぱり宮崎さんは、最後の作品を作ると思います。それを見るのが、楽しみであり、励みでもあるような気がします。これからも、トンネルの先は、、、風が吹いているのでしょうか。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月10日 (木曜日)

Shine a Light (2008) - Martin Scorsese

Shine a Light



お正月はもう来ちゃいましたが、待ちきれないです。このドキュメンタリー映画は。Led Zeppelinも大好きですが、やっぱりストーンズは最高です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月19日 (日曜日)

Next Stop, Wonderland (1998) - Brad Anderson (dir)

hopedavis.jpg  





   ★★★★











This is the type of movies I like. It is not a big-budget Hollywood film. It is not like a dramatic story as much as the script can be. Even the cinemaphotography is shot in a low key, sometimes almost looked like a documentary film. Well? So? What's so great about this type of movies? -I am not sure if I can explain about it. Well, I try it again, anyway.



A great film always delivers a great line by a character who is the main actor/actress as well as the supporting actor/actress. If the movie is good, the character comes to closer to our lives, (no matter if it is realistic or not,) and make a connection. Come to think about it, a great work of art has always something to say, and it gives us the connection; hope, courage, compassion, and pride, etc. Somehow, the independent movie tends to express the connection to the better quality than the production of Hollywood film. Thanks to the golden decade of Miramax film, Next Stop, Wonderland became one of the beautiful triumph of that kind of independent film. Don't you miss a great film by Miramax? It is rough, but it has a great quality. The film delivers great lines here and there. And the most important line of this movie is delivered in the middle of film and it takes it to the end of film, which is this;



"My father said if you can learn to contemplate just one beautiful thing every day, it gives you something very special."



I always like to see a drama. The story is about a romantic comedy, but still it shows the drama, in the name of art and humanity, to make the main woman' life three-dimentional. Life is a stage play. She lost his father, dumbed by her boyfriend, and look for a right man to meet. Everything is in-between, so that she does not know how to feel and express herself for being alone. Even I am a man and there's no space to feel the same thing in the woman's way, however, I could be related to her father's philosophy as well as her. When she meets a man to share his father's philosophy, the line works to be something more convincing. Film is always about delivering great dialogues with a good cinemaphotography, and music, with editing...well, those are the ingredients of 4 stars film to me.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月17日 (金曜日)

ひめゆり (2006) - 柴田昌平監督

bar234-50.jpg


 終戦の日にドキュメンタリー映画「ひめゆり」とCOCCO(コッコ)のライブ演奏を見た。長い夜だった。言葉にならない重いものが、身体の中で石みたいに転がった。相も変わらず、この国と世界の10年、20年先の事をかんがえるとあんまり安心できるものではない。いろいろな意味で。



 終戦の日に暑い中上京してくださったおばあちゃん、本当にありがとう。廣島や長崎とは全く異なる戦争体験談を話してくれてありがとう。その日、ぼくらとおばあちゃんは何かしら繋がったのだと思う。未来のために、過去と現在とを。



 おばあちゃんたちが余生をかけて心に抱いている不安というのは、ぼくらの中にも同じようにあると思う。そしてまた、その不安を乗り越えて生きていかなくてはならないけれど、具体的には何もできないと言った非力さを感じるのも共通している事だと思う。ぼくらは若い分、新しい何かを、また次の世代へ繋げないといけないのだけれど、ぼくらはぼくらで何の術も知らないのも事実。そんな中で、こうした素晴らしいドキュメンタリーが生まれ、貴重な体験を学べるという事に、希望を感じる。

 無理してるようにも見えたけど、明るく何かしら前向きに扇動するように、ライブをしたCOCCOさん。ぼくよりいくつか若いのに、そういう社会的な視野と自分のできる事を既に確信して実行しているのが凄いなあ、と思いました。そして、この貴重な記録を、政治的・論争的な映画に仕立てなかった柴田監督は素晴らしい方だと思いました。



 当たり前の平和的思想がどこかで捻れて、得体の知れない方向へ行こうとする。そこには魔物のような恐ろしい力が存在している。この力がなんなのか、よくわかりもしないで巻き込まれてゆく。62年以上前の時代で、最悪の方向へ、そんな力に飲み込まれてしまったおばあちゃんたちの声に耳をすますと、ぼくができるかぎりの事は何なのか、少しだけ見えてくるような気もする。生きている限り、ぼくらは、”そこ”へ繋がっているのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月29日 (月曜日)

Million Dollar Baby (2004) - Clint Eastwood

 

p.jpg

★★★★



 これはかつてない素晴らしい映画でした。       

 いろいろ考えさせられる映画でした。ただのボクシングを

 中心とした勝ち負けや成功と失敗の話ではなく、一社会に

 生きる人間が、家族とどう向き合っているか?その実態が

 リアルすぎる程リアルなドラマでした。         



 この映画のプロットは監督曰くラブストーリーなのですが、

 それ意外にもたくさんあるような気がします。で、それは  

 人生のある時点(そしてまた人生のいつでも)リスクを負 

 う瞬間や日というのが突然来るという事です。       



 リスクを乗り越える事。リスクを負う事。        

 自分の好きな事に力いっぱい全力を尽くす事。また逆に何

 かに取り憑かれたように努力や集中するのではなく、 その

 何かを手放してしまう勇気も必要であること。そうでもな

 ければリスクを負う事はとても危険な事である事。。。  



 言葉で言い切れない程、内容の詰まった映画でした。  

 いつもは何かしら感想とか感じた事を書けるんだけど、

  この映画は言葉にするのがもったいないくらい深い何かが

 ある映画だったので、うまく言葉にできません。    

 クリント・イーストウッド、本当に偉い方です。    



 大好きなモーガン・フリーマンが語り部である映画でも

 あってショーシャンクの空に以来、なんだか懐かしさすら

 感じましたが、いぶし銀ってホントにこの人の事!   

 ヒラリー・スワンクがでている映画は初めてだったんです

 が、 この人、いいですね。他の映画も観てみたいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月 4日 (月曜日)

武士の一分 (2006) - 山田洋次

ichibun.jpg

          武士の一分 (2006)   
          山田洋次監督  
     
             三村新之丞(木村拓哉)    
             三村加世(檀れい)      
             徳平(笹野高史)       
  
          ★★★1/2      
          良いでがんす。    
 

    正直な話、期待してなかったんだけど、予想をかなり裏切っ
    て良かったです。 木村拓哉さんはテレビからスクリーンにで
    た、という感じで 良いと思う(というより今までで得たもの
    をやっと出した)のですが、やっぱり回りの人も凄く光って
    いる。奥さん役の壇れいさんは素晴らしいなあ。やはり物語
    の核となる部分が良いので、ほろりとさせられます。本当に。
    慎ましく、淡々と、時にはドラマチックに語られる日本人が
    思う愛のあり方。

    とにかくアクションものというより、ラブストーリーとして
    のメッセージが強いと思う。全体的なバランスが良いので、
    たくさんの人が見ていろんな事を感じられる映画になってい
    ると思います。すざんだ世の中の感がある時、全てを変えら
    れるのは 男と女からしかないのだと思わせてくれました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 8日 (月曜日)

Broken Flowers (2005) - Jim Jarmusch

1.jpg

★★★☆

"The past is gone and the future isn't here yet. So, all we have is this,
Is this...the present."

Don Johnston, Broken Flowers

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年8月11日 (木曜日)

the Lord of the Rings (Trilogy) - Peter Jackson

ring.jpg the Fellowship of the Rings (2001)  ★★☆☆ 1/2

 the Two Towers (2002)        ★★★☆ 1/2

 the Return of the King (2003)     ★★★☆



 Directed by Peter Jackson





I really liked the second one. Everything worked there from the beginning to the end. If I see the extended edition of all, I may change my opinion, but it does not intrigue me much to watch the whole things again. I rather want to see the second one over and over, or the extended edition of the second. I think ALL good stuff is packed in the second one. What the most impressed magic Peter Jackson made through this trilogy was the slow tempo of story telling, more than the magic of visual effects or CGs. A comment about the story: WE can learn many things from the life of Gollum, compared to anyone else or the Ring War. Too bad no one brings him to the light, even people defeated the darkness and save the world. No one saved ONLY one person. That is my PRECIOUS concern. Ironic? Yeah.



g.jpg


My favorite character...Gollum.

My favorite fellowship as the greatest of all...Samwise Gamgee.

My favorite fellowship as the coolest of all...Legoras.

My favorite heroin...Galadriel.

My least fellowship...Gundalf the grey or white or whatever.



gad.jpg

| | コメント (0) | トラックバック (0)