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2012年10月 7日 (日曜日)

雨、曇、ブラームス

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幻の橋、タウシュベツ橋を見に北海道旅行を計画したのだったが、雨男を自認している自分としては案の定というべきか、連日の雨に見舞われ終いには台風まで来てしまい、去年に引き続き撮影旅行はほぼ全日程で雨という結果だった。おかげでここのところの作品は、霧っぽいもの、ジトッと湿っぽい感じで静けさのある風景ばかりとなっている。トドメは、幻の橋は幻の橋のまま湖の下に沈んでおり見れずしまいだった。

10年以上も前からの事だが、どんより雲から太陽の光が射すと、なぜかブラームスの交響曲1番を連想する。勝手にあの和音の分厚い音が頭の中で鳴りだすのだ。バイオリンの風が吹き、アルプスホルンが辺りの空気を雄大に一転させ、雲の切れ間から堂々とした太陽の光が降り注ぐ。そんな光景をブラームスのファンは皆、音楽を聴きながら連想しているのではあるまいか? 同じような光景はベートーベンの最後のピアノソナタ32番の最終楽章の終わりでアルペジョが演奏されるあたりでも見られる。こうした風景は、長年自分だけの光景として想像してきたものではあるが、実際には無音で言葉もない自分独りの世界で、自然の中では一瞬であるような一場面を目の当たりにすると、時代も年齢も異なる大作曲家たちが言葉ではなく音で表現された世界と繋がるような妄想を抱くのである。

それにしても連日の雨には気が滅入る。少しぐらい透き通った空気の中でスカっと抜けた写真を撮らせてくれまいか?と思うものだが、お天道様はそうさせたくないらしい。それでも、今回の旅の最後に、夕日の太陽が雲の裂け目から神々しい光を放っていた。

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2010年5月19日 (水曜日)

JASMINE

キースの新作はとても良いです。夜にとろけてゆきます。

タイトルも好きだな。JASMINE(ジャズミン)です。 英語の発音では、”ジャァずミンです。”ジャすミン”じゃないんです、本当は。 ジャズと同じ発音なんだ。ジャァズマンが、ジャァズミンを奏でようするところがなんともシャレてるし、できるようで相当実力と自信がないとなかなかできないと思う。香るような音楽、ジャズとジャズミンの語呂にかけても。このあたりがロマンティックダンディ男、キース・ジャレットの良さなんだよね。 

話は変わって、ぼくはジャズミンティーは永いこと好きじゃなかったんだけど、ここ数年前からかな、とても好きになってます。突然、味覚が変わるってことありますね。あのスゥーとするところが嫌だったんだけど、あのスゥーとするところがとても飲み心地すっきりするようになった。やっと、ジャズ聴きながらジャズミン飲めるようになったもんだ。と、意味不明なこと言ってますが、このアルバムは計算なしに熟成されて世にでてきたような完成度があります。

ジャズってアドリブや生が全てだと思うのだけど、キースは録音に対する姿勢も素晴らしくクラシックピアニストの巨匠が、ビシッと録音に徹する凄みに似たプロ意識があります。なんてのかな、音が紳士なんだ。そして、このアルバムでは必要なだけの音やリズム感、アルバム全体を通しての統一感みたいなのが、計算なしでまとまっている。若手でやはりクラシック要素をジャズに持ち込む天才ブラッド・メルドーも好き(新譜も素晴らしい)ですが、ジャズっていうジャンルからすると、クラシック並みの計算高いきっちりしたジャズ録音にせず、どこかまったりした音楽がいいんだよね。今回、キース・ジャレットとチャールズ・ヘイデンが届けてくれたジャズミンの香りのように。

ジャスミン

アーティスト:キース・ジャレット&チャーリー・ヘイデン

ジャスミン

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2010年5月16日 (日曜日)

It don't mean a thing if this ain't Jazz.

José James!

ジャズ界に15年にひとりの逸材と言われている、、、様子。聴けば、五感を通してうなずける。ジャズって何?って言われても何も偉そうに言えないけれど、これこそジャズでしょ、って思ってしまう。静かでつめたい夜を一瞬にして贅沢にしてくれるような、世界中があたたかいラブソングに包まれているような気分にさせてくれる。それがジャズの醍醐味ってものじゃないの?

ホセ・ジェームスの才能・存在って、ただとにかく(男でも)ホレボレする素晴らしい歌声にあります。アーヴィン・ベルリンやジョージ・ガーシュインが世界中にちっぽけなラブソングを羽ばたかせていた古き良きジャズ時代が帰ってきた感じさえする。言い過ぎ?いやいや、ホントホント。初めはiTuneで買ったけど、全て思い直してCDで買い直してしまった。データは無くしてしまうと泣くので、やはりCDで持っておきたいと心底思わせたCDなのです。(レコード買ってでも聴きたくなるくらい。ライブで生でも聴いてみたい。)今後もこの人のアルバムは毎回楽しみになりそう。これこそジャズでしょ、な新譜"For All We Know"は誰にでもオススメ!

フォー・オール・ウィ・ノウ

ホセ・ジェイムズ&ジェフ・ニーヴ

フォー・オール・ウィ・ノウ

BLACKMAGIC(ブラックマジック)[解説&ボーナストラック付き日本盤]

ホセ・ジェイムズ,フライング・ロータス,ムーディーマン,ジョーダナ・デ・ラブリー,ベン・ウェストビーチ,DJ・ミツ・ザ・ビーツ

BLACKMAGIC(ブラックマジック)[解説&ボーナストラック付き日本盤]

The Dreamer[日本語解説・対訳・ボーナストラック付き国内盤]

ホセ・ジェームス

The Dreamer[日本語解説・対訳・ボーナストラック付き国内盤]

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2009年11月 1日 (日曜日)

ほしいCDたくさんの秋

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 芸術の秋ですかね。毎年、秋になると、ほしいCDがたくさんリリースされます。

 ・ポリーニ:WTC →これは間違いなく買いなのですが、
           Till Fellnerの新鮮さと比べちゃいそう。
           でもポリーニの事なので、王道的な安定感と
           構築美のバッハを聴かせてくれそう。

 ・Alice Sara Ott:ワルツ集 →この子、すごいわ。特にトリルや装飾音
               のデリカシーにまるで巨匠クラスの丸さと
               気品を感じる。

 ・シフ:パルティータ全集 →待ちに待ったシフのパルティータ。
               聴いてて面白い細かいアプローチ。

 ・Norah Jones:Fall →新曲のChasing Piratesはラジオでかかる度に
            良い曲だなあ~としみじみします。

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2008年10月29日 (水曜日)

アンスネスの夜

 10/27 音色の魔術師、若き巨匠、レイフ・オヴェ・アンスネスのコンサートに行ってきました。初台オペラシティホールも初めてだったけど、とても心地よい空間でした。



 アンスネスって若いです。ぼくと3つしか違わない。でもなんだかベートーベンなんかは巨匠!って感じです。まだ30代で巨匠!ってのは、大げさなようですが、そこが天才なんでしょうね。 かつて1960年代、演奏の時代が生んだ天才ピアニストもみんなこんな感じだったのだろうなあ、と思いました。



 技術って凄い。凄いだけでやはり演奏は面白いからです。でも勿論、アンスネスには秘めた熱情みたいのが一気に燃え上がるような精神がありました。前半が大曲。ヤナーチェクの「霧の中で」とシューベルトのD.958。どちらとも立派な演奏だったけど、今ひとつ心に残る何かがなかったのでした。リズムや記号には忠実な人ですけど、歌うところで歌わない。なんかひねくれてんのかなあ、と思ったほど。シューベルトの美メロはすべて控えめ。まるでスーパーテクを身につけたモーツァルトが「そんなに深刻になるなよ」と笑っているかのような、 美メロ。なんだか道化師っぽい。シューベルトっぽくなかったのです。でも展開部での低音のうならせ方とか息のながーい精神性がもの凄かった!まるで渦巻きの波で暗い海の底に飲み込まれていく感じだった。

 

 もともとビートをつけるのが好きな人のようですね。正直、こういう人は面白い。なんだかフォルテで低音部のパッセージを繰り返す時はかならずビートっぽくなる人。身体付きからして、体育系のような。。。新しいピアニスト像です。



 ドビュッシーはこれまたドビュッシーぽくないけど、とても美しい。名人芸のようなアルペジョでも音がパッセージごとに光る光る!なんて豊かな感性なんだろう。最後は、王道のようなベートーベンの月光(#14)で締め。サービス抜群です。拍手喝采。



 アンコールはドビュッシーのアナカプリの丘。ぼくも大好きなベートーベンの13番の3楽章と4楽章。素晴らしかった。最後だけ知らない曲だったんだけど、スカルラッティ493。ちょうど先日にポゴレリチのCDを買ったんだけど、収録されてなかった。とても良い曲だったので、今度探してみることに。



 今後が楽しみなピアニストです。あと10年したらどーなっちゃうんだろう? ピアノってやっぱり呼吸だと思う。自分が弾きたいように弾くには呼吸がコントロールされてないと弾けない筈。アンスネスの表現には全てふかーい呼吸が備わっていた。でかい手と深い呼吸。これからの時代のピアニストはある意味身体能力の高い人が息の長い技術力、精神力、そして演奏力が備わっていくのだろう。またいつの日か演奏の時代がくるかもしれない。グールドファンなワタクシは、別にライブはそこまで重要とは思ってないんだけど、やっぱりライブは必要なものなんだと思います。音楽は永遠であってほしい。

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2008年9月29日 (月曜日)

シューベルト、ふたたび

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 他の作曲家もそうなんだけど、とりわけシューベルトという作曲家には個人的というか、感情的というか、心の底まで対話をしているような作曲家のように思う。



 しばらくはまったく聴かなかったり、聴くとなるとどっぷりその世界に浸る。。。ぼくにとってのシューベルトの音楽というのはそんな存在に思う。



 今年、ピアニストを引退することになったアルフレッド・ブレンデルの演奏は素晴らしい。大げさになったりする事のない知的かつ感情の表現のバランスに富んだピアニストなので飽きることもない。以前からぼくはブレンデルの演奏を何回も何回も楽しんでいる。こんなに素晴らしいピアニストの音がもう聴けなくなってしまうのは悲しい。



 そんな悲しさも手伝って、シューベルトのあたたかさ、やさしさ、厳しさ、せつなさ、に心底ひたってたりする。元はと言えば、長い長い楽章のつづくクラシックのソナタフォームを構造として聴けるようになったのは他でもないメロディアスなシューベルトだった。その後、ブラームスやベートーベンやモーツァルトのさらに長大な交響曲とかソナタが聴けるようになったのもシューベルトのおかげ。



 ああ、なんて素晴らしいんだろう、シューベルト。



 Schubert: Piano Sonatas, D784, 840, 894, 959, 960

 Alfred Brendel (Piano)

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2008年6月29日 (日曜日)

BPSG

 今回は、クラシックになじみのない方はよくわかんないマニアックなお話です。有名なかのベートーベンは生涯で32のピアノソナタを作曲したのですが、ぼくは、ベートーベンのソナタをかなり聴きこんでいるので、暇な時とか、写真撮ってるときとか、頭の中で再生することができます。自分でも余計なところで脳みその記憶とってるよなあー、とか前々から思います。



 もちろん、32のソナタをひとりのピアニストで聴いてるわけではないので、番号によって、それぞれ好きなピアニストが違ってます。メインで聴くのはジョン・オコナーという人の演奏。それから、グールド、ブレンデルの演奏、他にはケンプやバックハウスも好きな演奏です。まあ、これらの人の音やリズムや解釈をそのまんま頭で再生できるので、便利なものです。こうした音楽はどれだけ生きる力をくれたかわかりません。(さらにアンドラーシュ・シフの録音が全て販売されたら、たぶん買っちゃう予定。)



 もちろん、これはベートーベンのピアノソナタに限ったことではないので すが、音楽って大事ですよね。





 今日はとあるイベントでの仕事だったのですが、けっこう暇でした。日曜日の雨の日にお客様はあまり来ないものです。もちろん、真面目に仕事はしてますが、待ち時間をただ待っているというのは場合によっては苦痛にもなりかねません。



 で、ぼくは頭の中でベートーベンのピアノソナタを”鳴らす”遊びを思いつきました。1から32まで。題して、ベートーベンピアノソナタゲーム(BPSG)です。ルールとしては、最低第1楽章の導入部~展開部ぐらいまでは”鳴らす”ことが条件です。まあ、だいたいの場合、2楽章までぐらいなら”鳴らしたり”できるのですが、ピアニストではないので、けっこう難しいものです。中には、まあ、以前ピアノを弾いてた頃に学んだ曲もあるので、全楽章、楽勝というのもあるのですが、なかには第1楽章から”全く鳴らない”ものも。。。



 最終的に、22番がぜんぜん”鳴りません”でした。というのも、この1曲は全然聴きこんでなかったのです。。。けっきょく、31/32という結果で、あと19番と20番が逆になってました。残念でしたが、なんだかものすごく新鮮な発見でした。





 ゴルドベルグ全曲再生か、ディアベリ全曲再生、にも挑戦したいですが、なんか難易度高いんだよね。。。 以上、オタクな話でどうもすみません。

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2008年6月18日 (水曜日)

ヨハンセン陽子@ハクジュホール

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   ヨハンセン陽子ピアノリサイタル
   『グリーグピアノソロ作品全曲演奏会 Vol.2』

   曲目: グリーグ:4つの小品 op.1
            詩的な音の絵 op.3
            ユモレスク op.6
            ピアノ・ソナタ ホ短調 op.7

   ピアノ:ヨハンセン陽子

   日時:    7月26日(土)14:00開演
   
会場:    ハクジュホール
   入場:    前売り3,000円/当日3,500円
   チケット販売:エフ・オーディエンスネスト Tel. 03-5759-5501


   ピアノ・ソナタ ホ短調は、個人的にとても美しい曲だと思っているのですが、この曲を録音するピアニストはあんまりいない気がします。とても楽しみな演奏会です。

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2008年3月17日 (月曜日)

ドビュッシー再考、又は、かくも美しき響きが夜を包む也

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 ドビュッシーの音楽について言えば、やはりピアノである。



 56年の生涯で、ソロピアノだけで78曲を遺している。フランスの大地から遠い海に囲まれた日本で違う時代に生きているオイラにとっても、これらはすべて(すべてか?ふむ?)偉大なる遺産である。

 本人が、自分の曲をどう解釈し、どう弾いたのかはとても気になるところだが、残念ながらほとんど記録がないようだ。(実はピアノ・ロールの録音が2曲あるらしい。)



 素人のオイラでも感じることができるように、ドビュッシーの音楽には長調や短調にとらわれない自由な和声の流れってものがある。ジャズよりも崇高な感じだが、この時代で既にジャズ的である。まあ、バッハもそうなんだけど、あれだけ複雑な作曲で、たくさんの音が縦にも横にも陳列する様はバッハ並みである。(ちなみに同じぐらい音の多いリストは晩年を除いてあんまり和声の流れを感じないし、ほぼ旋律をメインとしたロマン派だったように思う。)



 で、むつかしい話はこのへんでやめて、オイラは長い間、ドビュッシーピアノ全曲集でいい録音のをほしがってました。だって、Werner Haasというヒトの全曲集を持って愛聴してたのですが、なにぶん、せっかくのドビュッシー音楽なのに、響きの良さがあんまり伝わってこないぐらい録音がイマイチだったんだもの。ちぇっ。



 マイ好みな演奏は、とにかくドラマチックにしすぎない事。Werner Haasの演奏でも、さすがにフォルティッシシモみたいな爆音が連発で聴かされると疲れちゃうのですね。尊敬するリヒテル様の演奏は今にも音の精霊がでてきそうなくらい雰囲気ある演奏ですが、ときどきしか楽しめない。(とにかくあれはあれで凄い演奏ですが)



 今回、やっと買ったのが、フランスの大学で音楽教授をされてるジャック・ルヴィエというヒト。これがいいんですわ。耳から鱗はがれちゃいますがな。ありがとう、朝のN●Kラジオ!ジャック先生の演奏との出会いはラジオでした。



 なんて美しい響き! ゆるぎないテンポの調整で、旋律と和声がとぎれない! すべての音と音が繋がってる感じがよくわかります。



 ドラマチックにしなくても、普通に楽譜どおりの強弱をつけていれば、ドビュッシーの音楽はとても明解になるのがよくわかります。でも、たぶん、これは予測なんだけど、相当技術に余裕があって、精神的にも強く、集中力が持続できないとできない演奏なんだな、と思います。



 そして、エスプリ。日本にも音と音の間の独特の静けさってものがありますが、このヒトの弾くドビュッシーには他のピアニストからは聴いたこともない美しい”間”があります。しかも間があっても音と音がちゃんと繋がっている感じのする知的さもあります。粋です。これが粋といわずにいかに? 

 やっぱりフランス音楽は、フランス人の卓越したヒトにやってもらうのが一番なんだろうなあ。。。それにしても4枚組で3500円は安いです。ある意味安すぎです。こんなに幸せをくれるのに!



                *



 日本とフランスはとても近いものがあると思う。でも圧倒的に違うのは、やはりあっちは一神教であることでしょうね。徹底した個人主義ってのは、徹底を極めるヒトがとんでもないものを作ってしまう。それは良くも悪くも多神教の日本人にはできないことなんだと思う。”管理”や”コントロール”を一神教のヒトがやると、ちょっと怖いぐらい凄い仕事をする。日本人は、コントロールをキビキビやりすぎると疲れちまう。あいまいさが反って凄い仕事をしちゃったりする。これは意識と無意識の違いにも似ている。わかりやすく言うと、武士道は無意識に近い。こうして最終的に物事を考えると、一神教もスゲエが、多神教のオイラもへんちくりんな人種なのだなあ、と実感する。



 話がむずかしくなってきちゃったかなあ。。。

 うまく言えないけど。何かを盲目的に追求するのは美しくて、

 良いことだ、と思うぞ。誰にも迷惑かけなければ、ね。



 ではまたこのへんで。ごきげんよう。



 ドビュッシー:ピアノ作品全集

 クロード・ドビュッシー(1862 - 1918)

 ジャック・ルヴィエ(ピアノ)

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2007年12月10日 (月曜日)

ラファウ・ブレハッチ

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CHOPIN: The complete preludes, Rafal Blechacz, piano


 きょうの朝は、眠いながらも耳を研ぎすませる事になった。充実した30分。

 2005年にショパンコンクールで優勝したピアニストが、去年、ショパンの前奏曲をリリースした。つい何ヶ月か前に、タワレコで試聴して気になる存在だったんだけど、”ただ、若いのに深くてうまいなあ”と思ってた。

 で、きょう朝ラジオを聴いていたら、なんとそのCD録音をぜんぶ無料で聴けるとあって、なんだかウキウキしながら聴いてました。

 試聴した時の感想は、間違ってなかったです。
 若いのに、深くて、情景が浮かんでくるような、優しく、強く、華麗で、雄大で、厳格なショパン。そう、前奏曲にはショパンの全てがある、と本当に信じちゃうぐらい最初から最後まで、一音一音を愛おしく、本当に大事にしている。キンキン音をたてないピアニストは個人的に大好き。上品さというより、ショパンやロマン派のクリシェを感じさせないから。音色も感情も素晴らしい演奏でした。

 若いのに! ありえないよ! 調べたら1985年生まれの22歳。
 そんなに若いのに、なんでこんなに優しく深い音が出せるの?? 人間はへこたれても強くなれる。そういうのは人生経験を積んで、年輪を重ねないとでてこない。打たれて強くなる矢吹丈とかサイヤ人みたいに。緩やかで優しい精神性って20代から得れるものなの?? この人、この人の音、ホントなの??

 もうこのCDは買いです。決めました。オススメの一枚。

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